先日カンブリア宮殿というテレビ番組で、ミュージックセキュリティーズという会社が取り上げられていました。
ミュージックセキュリティーズは、地場産業や消えかねない技術などを資金面で救うために設立された、個人からの投資を募るファンド運営会社です。
元はアーティストの発掘のためのファンドを運用していたのですが、全量純米蔵を目指す会の代表であり、神亀酒造の専務である小川原氏との出会いが転機となり、「純米酒ファンド」を開始しています。
そして「奥播磨」で有名な下村酒造店も、純米酒ファンドを利用している蔵の一つです。
兵庫県北西部に位置する下村酒造店は、家訓である「手造りに秀でる技はなし」を守り、機械による大量生産を一切行わず、手造りによる伝統の酒造りを続けている蔵です。
こだわりぬいて造られた酒「奥播磨」は、グルメ雑誌dancyuの特集で燗酒日本一をかざるなど、多くのファンから愛されています。
しかし、過去には酒造りへのこだわりがゆえに、大きな困難に直面したこともありました。
造る酒をすべて「純米酒」にすると決めたことにより、運転資金の捻出が難しくなってしまったのです。
純米酒を造るためには熟成が3年間必要、しかし銀行は1年分しか融資してくれない。
そこで目をつけたのが、純米酒ファンドでした。
1口50,000円から出資することができるのですが、目標額の660万円はわずか数日で集まったそうです。
それから6回の投資を募り、のべ1041人が投資、総額は6,560万円にもなります。
年1回、投資家の元へ奥播磨が2~3本送られてくるのですが、これを楽しみに投資家になる人も多いのだとか。
もちろん投資である以上リターンを求めるのですが、1回目の募集では利回り7%を超え、投資家に還元されています。
ただ、利益が目当てで投資をするのではなく、個人として心から応援したい、ささやかでも役に立ちたいという思いで投資をする方も多いのだとか。
自分が少しお金を出資するだけで、おいしいお酒が送られてくるし、何より日本酒業界に貢献できているというのは素晴らしいですね。
私も早速投資しようと思ったのですが、今はどの蔵も募集していないようです。
日本酒を愛する一個人として、来年はぜひとも純米酒ファンドに投資したいと思います!